肩こり筋肉・骨格系疾患

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厚生労働省による、平成22年国民生活基礎調査の概況によると、「肩こり」で約6割の国民が悩んでいるというデータがあり、日々悩んでいる方も多いと思います。

肩こりといっても、原因が肩ではなく、頚椎や内臓疾患、ストレス等の負荷よる自律神経障害が原因のことも多い(臨床上、むしろこの方が多い)ので、専門家の判断の下、原因を特定してから、セルフケアを行うことをオススメします。

医学的には「頸肩腕症候群(肩こりを含む)」といいます。

広義の頸肩腕症候群は、頸部から肩、上肢にかけての痛み、こり感、しびれを呈する病態の総称です。
原因としては、頚椎・頸髄腫瘍、脊椎炎などの頚椎疾患、肩関節周囲炎(俗に言う五十肩)など整形外科疾患のほかに、高血圧、肺疾患、耳鼻科疾患となっていることもあります。

その他、眼精疲労が原因によるものもあり、単純に肩の痛みといっても、原因は、多岐に及んでいます。

このセルフケアでは、上記のような原因疾患が見当たらない狭義の頸肩腕症候群に焦点を当てお伝えします。

A.日常生活での姿勢の改善
長時間のPC作業や農作業による、同一姿勢は、上半身だけではなく、下半身にも負荷がかかります。

従って、少なくとも1時間に1回ぐらいは、全身のストレッチをする、軽い運動をする等をオススメします。

特に、長時間行っている姿勢とは、逆の姿勢を少ししてみる、というのは、とてもオススメです。

例えば、猫背やかがんでする作業であれば、背中を反らしてみる、逆に反らす作業が多ければ、前かがみをしてみるといった具合です。

これだけでも、1日8時間労働されている方なら、8回は少なくとも行うことが出来ます。
ストレッチ
また、肘の使い方も大変重要です。
実は、肘の問題で肩こりが発生することはあまり知られていません。

私の臨床経験上、肩こりを訴えている方の約9割の方に肘の使い方に問題があります。
簡単にいえば、肘を適切に曲げたり伸ばしていないのです。

要するに、定期的に曲げたり伸ばしたりして、長時間、同一姿勢をしないことが重要です。

日常生活での姿勢や習慣は、自分ではなかなか気づきませんので、会社の同僚の方やご家族と一緒に行うと良いと思います。

肘の内側、外側とも定期的にマッサージしてあげるのです。継続は力なりです。
肘のマッサージ
「刺さらないはり」のピソマやハペパッチ、せんねん灸のような台座灸の使用は、とても有効で、即効性があり、何といっても楽です。(笑)

ちなみに私は、職業柄、PCを使いますが、肩こりはほとんどありません。
以前は、相当な頭痛と肩こり持ちでしたが、今は、ピソマとハペパッチを貼って、おしまいです。

B.「井穴刺絡」で不快な症状を改善する
「井穴刺絡」治療は、肩こりにも非常に有効です。出来れば、肩こりを感じたら、直ぐに行うと効果的です。

早く対処することで、症状の軽減が期待でき、生活の質が上がり、生産性向上や意欲の向上にも繋がります。

まず、手の人差し指、薬指にある左右の井穴「H6H5」を刺激します。これだけでも有効ですが、さらに内側の肘が異常に痛い方は、左右の「H3」も追加すると良いです。
回数は、1箇所に付き、ピソマなら30~40回、お灸なら3~4個を、1日3~4回に分けて、特に就寝前にされると良いです。

ご自宅でのセルフケアなら、「刺さらないはり」のピソマやハペパッチ、せんねん灸のような台座灸の使用をオススメします。

H5H6H3
コツとしては、ピソマ等で刺激する前に、ツボスティックで該当の井穴を押し、痛みを感じる場所を確認して、ピソマ等を貼りましょう。

ツボスティック
肩こりだから「H6H5H3」を刺激すれば良いというのは、NGです。

井穴は、数ある「ツボ(穴)」の一部。
従って「ツボ」は、生理的に異常な場合の反射といわれていますから、井穴を押して、痛みを確認するという作業は大変重要なのです。

逆に井穴を押さないで、ピソマ等を貼って、効かないならまだしも、刺激し過ぎて、皮膚に炎症症状が起こる可能性もゼロではありません。

刺激する前に、必ず「井穴」を押す習慣をつけると、ツボスティックを使わずとも、「井穴」の反応がわかるようになりますよ。

まずは、お試しください!

参考文献
・「今日の治療指針2013年版」医学書院 p934-935, 2013.

・浅見鉄男著「21世紀の医学 井穴刺絡学・頭部刺絡学論文集」 近代文芸社 p302-302, 1998.

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篠ノ井はり灸院

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