当院では、昨今のマイクロカプセルに包まれた「イソシアネート」使用の”疑い”のある”洗剤・柔軟剤・消臭剤等に対応するため、2018年(平成30年)10月1日より、院内全体を”香料不使用”(Scent-Free Zone)とします。
”香料入り(香りつき)”のすべての洗剤・柔軟剤・消臭剤・化粧品・制汗剤・整髪料・毛染め類および香水をお使いの患者様及びお連れ様は、”例外なく”、入室(受診)することは出来ませんので、ご理解、ご了承ください。従って、どの製品でも”無香料”のものであれば、入室(受診)は可能です。
導入に至った理由は、”毒性”のある、有害な化学物質「イソシアネート」剤からすべての患者様を”守る”ためと、院内環境を”清潔”に維持するため、それと、院長の私自身が曝露すれば、適切な医療が提供できなくなる”おそれ”があるためです。また、診察時、患者さんの”臭い”は、隠された病気を探るヒントとなる場合が多くあり、洗剤・柔軟剤・消臭剤・香水等の”匂い”で誤魔化されてしまうと、見誤る可能性があるためです。
「イソシアネート」は、窒素(N)、炭素(C)、酸素(O)が結びついた「-NCO基」をもった有機化合物です。
例えば、「トリレンジイソシアネート(TDI)」や「フェニルメタンレンジイソシアネート(MDI)」などたくさんの種類があります。
「イソシアネート」は、ごく希薄な吸入でもアレルギー性喘息や中枢神経や心臓血管系症状を引き起こす、”毒性”化合物で、過敏性を生じやすく、慢性の肺線維症、間質性肺炎等の原因にもなります。
「イソシアネート」の種類の1つの「トリレンジイソシアネート(TDI)」は、トルエン(シンナーの主成分)の一万倍の”毒性”をもっており、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)の研究では、腹痛、咳、吐き気、息切れ、咽頭痛、嘔吐、発赤、灼熱感、皮膚の痛み、目の充血、目の痛み等の多彩な症状が出現することが報告されています。また、IARCの評価では2B:ヒトに対する発癌性が疑われる (Possibly Carcinogenic)に分類されています。
欧米では、「イソシアネート」は、”毒性”が極めて高いため、環境基準が厳しく設定されていますが、日本では、生活環境での規制はなく、野放しになっているのが現状です。
既にアメリカのミシガン州デトロイト市では、2010年より市職員に香料使用を”禁止”、カナダのノバスコシア州のハリファックス地域都市圏では、1991年より総合病院内で香料不使用を始め、今では、同州内のほとんどの職場、学校、教会といった公共の場で、自主的な反香料方針が実施されています。
Canadian Centre for Occupational Health and Safety「Scent-Free Policy for the Workplace : OSH Answers」(新しいウインドウが開きます)
このような”香料不使用”(Scent-Free Zone)は、日本では、”異例”ですが、「患者様の安心・安全」を最優先に考え、”予防的に導入”を試みる次第です。
今後は、各省庁の規制等により、環境基準の変更等があれば、順次見直す予定です。
なお、当院で推奨の洗剤は、以下の商品です。
院長が様々な商品を実際に使い、医学的視点や環境負荷、費用対効果等、様々な観点から考慮し、厳選した商品ですので、安心してお使い頂けるかと思います。
1.株式会社宮本製作所「洗濯マグちゃん」
2.サラヤ株式会社「ヤシノミ洗たく用洗剤濃縮タイプ」
3.株式会社シャボン玉本舗「シャボン玉スノール液体タイプ」
なお、入室(受診)基準に達していなくても、受診されたい患者様の場合、「院内環境清掃費」として、10,800円(税込)を別途お支払い頂ければ、受診して頂くことは可能です。
ただし、急患の患者様はこの限りではありません。
当院に受診を希望する”初診”及び”再診”の患者様が対象です。
なお、誠に恐縮ですが、初診・再診の患者様には、新たに「院内環境維持費」として、保険・保険外診療ともに、初診料(初検料)・施術料とは別にお支払い頂きます。詳しくは、別途お知らせ致します。
大変ご不便おかけいたしますが、患者様には、上記のような事情及び内容をご理解、ご了承頂き、受診して頂きますようお願い申し上げます。
ご不明な点がありましたら、お気軽に当院までお問い合わせ、ご相談ください。
篠ノ井はり灸院